証券会社の未来(2)
さて、前回の続きだ。
今後の証券会社はどのような未来を目指していくべきなのか。
日本経済は今、大きな転換期を迎えている。
我々はずっと、バブル後の長い不況を脱すれば、再びかつての繁栄に戻ると思っていたが、それは大きな間違いだった。長い不況は実は「不況」でもなんでもなく、日本の産業が衰え、老朽化する過程だったのである。だから、いつまで待っていたって無駄なのだ。
不況脱出を待っている間に、所得はどんどん減少し、年功序列、終身雇用制なども崩壊。サラリーマン受難の時代だ。金利は0、物価は上昇傾向。
これから、どーやって生活していくんだ!
(と考えている30代から50代は多いそうだ)
これを打開するには、新しい産業、新しい会社をどんどん興していくしかない。
起業の才能がある人は会社を興し、起業に才能がない人も、有望な新興企業に投資することでリターンを得る。この関係がうまく循環すれば、新しい産業はどんどん増え、日本経済は再び繁栄を迎えることができる。
そこで、証券会社の登場だ。
これからの証券会社は、新しい産業を興す起業家と、それに投資する人を結び付ける存在にならなければいけない。それは単に会社を上場させたり、株を売買することではない。有能な人が有望な会社を興すことを、それに投資する人々も含めて支援していく。つまり、かつての銀行のような役割が求められる。(間違っても、素人や初心者を嵌めこむようなことをしてはならない。)
間接金融(預金者から資金を得る)の時代に銀行が繁栄したように、直接金融(市場から資金を得る)が主流になれば、証券会社はその主役になれるはずなのだ。
21世紀の銀行。
これこそが、証券会社が目指すべき姿だとヒジカタは考えている。