? 西武グループとソフトバンクグループ:株/新選組
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2004年11月17日

西武グループとソフトバンクグループ

ヒジカタ

有価証券報告書の記載問題に端を発して、西武グループが大きく揺れている。

ヒジカタが子供の頃(昭和50年代)、西武グループといえば日本を代表する大企業。企業というより財閥で、実際西武財閥とか西武コンツェルンとか呼ばれていた。グループ総帥の堤義明は新世代経営者のホープ的存在、今で言えばソフトバンクの孫正義氏みたいな存在だった。

ソフトバンクといえば、かつて孫正義氏は『インターネット財閥』を目指すと公言していたが、紆余曲折しながらも着実に財閥への道を歩んでいるようにみえる。

かつての西武グループの強みは、創業者の堤康次郎(堤義明の父)が買い集めた莫大な土地であり、バブルの頃には12兆円以上の資産価値があったという。西武はその土地の上に、鉄道、ホテル、レジャー施設、デパートなどを建てて、巨大な企業群を形成していった。

ソフトバンクは西武のような土地こそ持たないが、インターネット上に莫大なサイバースペースを持っている。恐らく世界で最も人が集まる「仮想の土地」を持つ企業。それがソフトバンクグループだ。ソフトバンクはその「仮想の土地」の上に次々とビジネスを立ち上げ、巨大な企業群を形成している。

かつて、西武グループほど実態が分からない、アナリスト泣かせの企業はなかったという。グループを支配するコクドが上場企業でないため、その全貌はほとんど謎に包まれていたらしい。
現在、アナリストが評価するのに最も頭を抱える企業がソフトバンクグループだ。企業の実体、価値をどういう基準でどう評価したら良いのか非常に難しいという。

こうやって比べてみると、西武グループとソフトバンクグループは非常に似ている。というより、まるで生まれ変わりのようだ。一方は衰退しつつあり、一方はますます盛んになろうとしている。まさに新旧交代である。ソフトバンクがダイエーではなく西武ライオンズを買収していたらもっと面白かった。
こんなことを考えると、昨今のプロ野球界再編問題は、単に野球界の話ではなく、日本経済界の隆盛と衰退を見事に示している縮図だと思うな。

若き日の堤義明
(若き日の堤義明氏)



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