競争優位の基本戦略(ポータの基本戦略)前編
正体を明かした手前、翌日に何食わぬ顔でMBA講座などをやるのが、少し恥ずかしいヒジカタである。(犬の講義など聞きたくないか)
さて、「ヒジカタのMBA講座」第2回目は、ハーバード大学のマイケル・ポーター教授が提唱した、企業における競争優位を導き出すための基本戦略。通称「ポータの基本戦略」を紹介する。
企業が競争優位を出すための戦略は様々だが、その基本となるフレームは3つである。
■ コストリーダシップ戦略
低コストで製品サービスを生産することで市場における競争優位を確立しようとする戦略。
大規模な投資、大量生産体制の確保、広告宣伝などで規模の経済性によるコストダウンを実現する。間違ってはいけないのが、必ずしも低価格戦略と同義ではないということ。同じ製品なら、コストの低い方があらゆる面(価格や利益)で有利であるという前提に基づいた戦略と理解すれば良いだろう。
■差別化戦略
製品やサービスで、他社と明らかに違った特徴があると顧客に認められる価値を創造する。技術力、製品の品質、 デザイン、顧客サービス、ブランド、価格などにより、(顧客に)目に見える形で差別化を図る。
■集中化戦略
全ての市場、総合力では他社と勝負できなくても、対象を絞って集中することで優位に立つ戦略。「コスト集中型」と「差別化集中型」の2種類があり、いずれも特定の市場(顧客、製品カテゴリ、地域)に経営資源を集中する。いわゆる、ニッチ戦略が代表的な集中化戦略といえる。
さて、こんな教科書的な表現では、分かったようで分からん状態かもしれない。
そこで、受講者の皆さんに問題だ。上記3つの基本戦略を実際に行なっている、具体的な企業や製品を考えて欲しい。そうすれば、より理解が深まるかもしれん。
■ コストリーダシップ戦略をとっている企業、または製品・サービス
■差別化戦略をとっている企業、または製品・サービス
■集中化戦略をとっている企業、または製品・サービス
というわけで、解答編は次回だ。