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2004年09月04日

ライブドア社長の正体

ヒジカタ

ライブドア社長、ホリエモンこと堀江貴文氏が書いた『堀江貴文のカンタン!儲かる会社の作り方』を読んだ。

イメージからして、ハッタリ満載、打ち上げ花火連発的な内容を予想していたが、全く違っていた。結論からいえば、起業を目指す人には非常に参考になり、お勧めできる内容である。

だいたい、このような成功啓蒙本は、物事に対する考え方とかコンセプトが中心に書かれてあって、具体的にどうすれば良いかは自分で考えようという内容が多い(まあ、それが当然だとは思う)。はっきりいって成功の後付け論程度のことしか期待できない。

しかし、この本は違った。あらゆることが具体的に書かれてある。どうすれば良いかということが、非常にイメージしやすい。単なる成功体験談ではない。成功談も書かれてあるが失敗談や、こんなことを書くとライブドアおよび堀江氏自身のイメージダウンになるのでは?という内容も平気で書いてある。

そして、何より意外だったのは、リスクを省みず、いけいけドンドン的な経営を行なっているような堀江貴文氏が、一方では質実でクールな経営者としての側面を強く持っていることである。そして、外から見ると楽園のように見えるライブドアという会社も、企業に安定を求めるだけの人にはとても生き残れない、過酷で厳しい場所だということもよく理解できた。

読んでいただけると分かると思うが、この本が述べているひとつの結論は、会社経営は実に厳しい、楽じゃないってことだ。

堀江貴文氏を、単なる大博打打ち、詐欺師的な経営者だと思っている人も多いと思うが、少なくともこの本を読む限り、彼は孫正義の精神ビルゲイツのビジネスセンス、そしてジャック・ウェルチ(GE元会長)の経営思想を併せ持った人物にさえ思える。もっともこれは堀江氏が天性に持っているものではなく、後から吸収したものかもしれないが。

私は今まで、ライブドア<4753>という企業を少々懐疑的に見ていた。こんな乱暴な経営をして大丈夫なのか、いつかきっと破錠するだろうと。しかし、この本を読んで、相当にしたたかな堀江社長が経営するこの会社に、少しだけでも投資してみようかと思っている。

尚、この本には、付録としてライブドア(旧、オン・ザ・エッジ)立ち上げ時の事業計画書や東証マザーズ上場時に死ぬ思いで作成したという上場用書類などが、惜しげもなく公開されている。
堀江氏が、本の冒頭で述べている、「志のある人、若い人には是非、どんどん起業して欲しい」は心からそう思っているのだと思う。



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